『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』特別試写会開催!鑑賞レビュー

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本年度のゴールデン・グローブ賞、そしてアカデミー賞に多数ノミネートし、その注目度を一気に上げた期待作『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
4月7日(金)の全国公開を目前に、
3月13日(月)、品川・ユニセフハウスを舞台に特別試写会を開催!

なぜユニセフハウスでの試写会なのか?
一体どんなストーリーなのか?
試写会には、なんと本作の主人公であり原作者でもあるサルー・ブライアリー氏が登場。
生々しい体験と共に強いメッセージを伝えました。

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5歳の男の子が、全く知らない危険都市で1人になったら?

まず、本作品の最大のポイントは「実話」だということ。

インドを舞台に、貧しいながらもその小さな世界の中で家族と仲良く暮らしていた主人公のサルー。
お母さんが大好きで、なんとかお母さんや家族の力になりたいといつも考えている心優しい5歳の男の子です。

そんな穏やかなサルーの日々が突然、暗転。
何気ない日常の延長、
「兄の仕事を手伝いたい」という一心でついていった先で、
兄とはぐれ、1人取り残されてしまうのです。

そこは私たちが慣れ親しんだような恵まれた国・都市・街ではなく、
「人口過密と公害、圧倒的な貧困」で悪名高い街。

一歩歩いたら人身売買に捕まり、
人として扱われない地獄が待ち受けているような場所に、
まだまだ甘えたい盛りの、たった5歳の男の子が取り残される。

優しいお母さんとずっと一緒にいたい、
その子供心は永遠に報われることのないまま
大人にならなければならなかった主人公。

生来の性質と、運に助けられ
立派に成長していきますが、
甘えたかった子供時代はもう2度と戻ってこないのです。

どんなに寂しく辛い思いをしたことか。

暖かい環境にいられない、沢山の子供たち。
こうしている今現在も、
同じ出来事が多発し続けているのが現実です。

その描写が、
後半のニコール・キッドマン演じる養母の言葉ひとつひとつに
深淵な意味をもたせていきます。

その人生を全て記録していたかのような、ドキュメンタリー・タッチの圧倒的な映像美

全編に渡り織り成される、
恵まれた国に生まれた者にとっては「非現実的」とも捉えられる世界。

圧倒的な映像美で、
残酷さが「美しく」浮き彫りになります。

たった今その現場で撮影してきたかのような生々しい雑音たち、
そして光と影が表現するシーンの数々は
まるで「記録映画」のよう。

容赦ない描写が恐怖と不安を煽り、
わずか5歳の男の子の心中を
ありありと目の前に突きつけられます。

同時に、
まるで「人間の神秘」を垣間見ているかのように
不思議な感覚に包まれる瞬間も。

それは『英国王のスピーチ』で全世界を感動に包んだプロデューサー、
エミール・シャーマンとイアン・カニングが抜擢した
ガース・ディヴィス監督の手腕によるものといえます。

胸が苦しくなるような実話ドキュメンタリーを観ている感覚と同時に、
鮮やかなミュージック・ビデオを観ているような感覚も伴い、
物語に没入しながら人生の二面性を如実に感じられる、
稀有な映像体験をすることができます。

パーフェクトなキャスティング

キャストの豪華さは既に周知の通り、
サルーの養母となるスー役のニコール・キッドマンを筆頭に、
スーの夫・ジョン役のデヴィッド・ウェンハム、
サルーが恋に落ちるルーシー役のルーニー・マーラ、
そして主人公サルーを演じる2人、幼少期役のサニー・パワールと
青年サルー役のデヴ・パテル。
非の打ち所のない布陣です。

衝撃なのは、
いつも女神のように美しいニコール・キッドマンが、
自らの老いを全面に押し出すかのように、
シワのひとつまでが熱演しているような気迫でありながら、
完全に「脇を固める役者」であること。

知名度やイメージから
「ニコール・キッドマンの映画」として見えがちな本作ですが、
この作品の主人公は完全にサルーのみ。
必要以上に、他の登場人物の背景に焦点を当てないことで
より一層、サルーの孤独が感じられました。

それでも鮮烈な印象を残すニコール・キッドマンは、
彼女がいつまでも第一線であり続ける理由が改めてわかる
見事な存在感でした。

更に『ロード・オブ・ザ・リング』でブレイクを果たした演技派デヴィッド・ウェンハムは、
これまでにない程、その魅力を圧倒的に感じられ
「ハマり役」と言いたくなる高みに到達。
それぞれに苦悩と孤独を抱える”家族”を支える養父を見事に演じ、
『ロード〜』のファラミアを観てファンになった方は
「ファラミアの真髄を10,000倍ぐらいに高めたデヴィッド・ウェンハムが観られる」と期待しても良いレベル。
出番は他の役柄に比べて少ないながらも、その全てのカットが死ぬほど魅力的。
ファンの方の心を鷲掴みにすること間違いなしです。

そして主人公のデヴ・パテル。
色気が爆発的UPして大変なことになっています。
本作を観て「デヴ・パテル、良い・・・」となる方も多く出るのでは。
とにかく色っぽい、
それはきっと「悲しい過去」による「影」が成せる技。
影を背負いながらも、現実に立ち向かい続けるサルーの喜怒哀楽を、
見事な演技力で完璧に表現し切っていました。
それはドキュメンタリー・タッチの映像と相まって、まるで本人にしか見えなくなるほど。
デヴ・パテル本人が「この役をどうしても演じたい」と制作側に情熱をぶつけたとのこと。
制作側もデヴこそ適役だと考えていたという、
奇跡のような一体化ぶりを見ることができます。

忘れずにお伝えしたいもう1人が、幼少期を演じたサニー・パワール。
とにかく可愛い。
声、ビジュアル、何もかもが魅力的。
恵まれない子供たちの学校に通っていたところを、
スタッフに見い出されたとのこと。
その説得力しかない瞳による画力は必見です。

オスカーでの姿も可愛さいっぱい!

舞台挨拶には寺田心くんも登場

13日(月)に開催された特別試写会には、主人公であり原作者のサルー・ブライアリー氏が登場。
初来日となるサルー氏は、「自分の人生のことだし、きっと映画を見てもそこまで・・・と思っていたけれど」
と前置きすると、この残酷な体験とこれまでの人生を踏まえ熱くメッセージを伝え始めました。

「当時の自分に引き戻された。
自分の気持ちがコントロールできなくなった。
椅子にしがみついていたよ。
自分の経験をこんな風に見ることになるなんて。
改めて”自分はなんて幸運なんだ”と思った。
こうして映画になって、それを見ることも
必要な経験だったんだ、と思えたんだ。

本当はもっともっと長くなるはずのストーリー。
もっともっと極端なこと、
もっと酷いことも沢山あった。
ただ、この映画は伝えるべきことが充分に伝わる、
最高の作品だと思うんだ。

勉強もあまりしていないけれど、
宇宙の力が僕を導いたような感覚なんだ。
全てが少しずつ良くなっていった。
人間は肉体以上の存在であるということを知ってほしい。
色々な人に色々な事を感じてほしい。
養子縁組に対してもっと門戸を開いてほしい。
どの国でも、どんな国でも、
家族を作る上で血縁でなければならないという事はないんだ。
養子によるものであっても良い。
心を開いて、より多くの子供たちが
助けられることを願っている・・・」

きっと、とても語り尽くせない体験であろう・・・
それを強い精神力でメッセージに変え、
自分と同じような境遇に苛まれる子供たちのため
里親養子縁組協会の活動を熱心に行っているサルーさん。
この作品をきっかけに、
多くの人が目を向けてくれることを願っています。

そして、ゲストの寺田心くん!
「ユニセフにもらったぬいぐるみのコロちゃんを
ずっと持っています」と、いつも通りのしっかりした
見事なスピーチを披露。

サルーさんとのオフィシャル・ショットはこちら!

お花のプレゼントも。

『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』は、4月7日(金)より全国公開。
今年、必ず見るべき1本が登場します。

予告編はこちらから!

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