『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』上海プレミア・レポートその2

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前回の記事で、びっくりするほど『ホビット』3部作が無きものとなっていたことをここに謝りたい。それほどまでに、私の中で『ホビット』のオーランド・ブルームは無きものとなってしまっていて、消化ができていない。どうしても、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の頃の輝きと比較してしまう。『ホビット』のレゴラスは闇の森の王子:レゴラス・グリーンリーフではなく、どうしてもファンデを厚めに塗ったオーランド・ブルームにしか見えなかったのだ。

こうして『ホビット』をナチュラル封印した私は「『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』にオーランド・ブルームが再びウィル・ターナーとして出演する」というニュースに狂喜乱舞した。ウィルはフライング・ダッチマン号の船長となり海底へと沈み、10年に1度しか地上には浮上できない。現在のオーランドが演じても全く違和感のないビジュアルで観ることができるだろう。これは期待がもてる。

ディズニー大作であるパイレーツなら来日の可能性も大だ。しかし2011年『パイレーツ~/生命の泉』でジョニー・デップの来日が中止となった例もあるように、何が起きるかわからない。悔いを残さぬためには、飛ぶしかない。

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黄色いワンピース

レッドカーペット狂人の私にとって「ワールドプレミア」というのはこの世で最も魅惑的な言葉だといえる。プレミア奴隷の私にとって、主要キャストの殆どが揃い盛大に執り行われるレッドカーペット・イベントは天国と同義だ。そして赤絨毯廃人の私にとって、レッドカーペットは赤く、長ければ長いほど良い。

過去の『パイレーツ~』3部作は、アメリカ・ロサンゼルスから1時間ほどの地・アナハイムにあるディズニーランドでワールドプレミアが行われてきた。そのうち2作目の『デッドマンズ・チェスト』、3作目の『ワールド・エンド』にて現地に飛んだ私はその規模と内容に完全にノックアウトされ、断片的に思い出すだけで一晩寝ずに過ごせるくらいの脳内麻薬を感じられる。

『ワールド・エンド』ワールドプレミアでは、チャリティとして販売された通称「レッドカーペット歩けますチケット」を一瞬の迷いもなく購入し、渡米費用と合わせて数十万円をぶち込んだ挙句、カードローン地獄に陥った。しかし「レッドカーペット歩けますチケット」の威力は凄まじく、文字通り本当にレッドカーペットを歩く事となった。オーランドやジョニーが後ろから歩いてくる中を、だ。

その頃オーランドはインタビューで「黄色が好き」と答えていた。パパラッチで撮影される愛車も黄色のワーゲン(おそらくニュービートル)。そこで私はZARAで黄色いワンピースを調達し、レッドカーペットに臨んだ。

レッドカーペット上ではオーランドに握手をしてもらえつつも、すべてはそのまま過ぎ去ってしまった。楽しい思い出と共に残った「こんなにも近距離かつ同じ人間にも関わらず、全く人間扱いしてもらえない」というレッドカーペット上の明確なヒエラルキーを体感し「少しでもオーランドの世界に近付きたい」と思ったことが、映画ライターをはじめるきっかけとなっている。

黄色いワンピースは思い出の服として、その後オーランドが来日した時に向かった空港でも着用した。その時は「とりあえずその場に行きたい」という一心だけでサインをもらおうなどとも考えていなかったが、思いのほかファンサービスをするオーランドを目の前にして書いてもらうものが何もない状態へと陥り、書き場として選んだのがワンピースの腹部だった。

今回『パイレーツ~/最後の海賊』ワールドプレミアに赴くにあたり、何かしら新しい服が欲しいと考えていた。新しい服は単純にテンションが上がるからだ。しかし、これといってしっくり来る服は見つからずじまい。最終的に「これしかないか…」と半ば残念な気持ちで選んだのが、この黄色いワンピースだった。

上海ディズニーランド・ホテル

今回ワールドプレミアの地として選ばれたのは、中国・上海。これまでアメリカやヨーロッパなど、時間とお金をかけなければ行けなかった国とは違い、往復3万円ほどの航空券代と2時間ほどの飛行時間で「ワールドプレミア」「レッドカーペット」「オーランド・ブルーム」「ジョニー・デップ」「ディズニーランド」という好き要素が襲い掛かってくる。もはや「こんなに簡単でいいの!?」と思ってしまうほどだ。

あんなに苦悩を感じる数年間を過ごしたにも関わらず、幸運を目の前にして「こんなに簡単でいいのか?」と思ってしまうこの心理は一体何なのだろうか。確かに、壁は高ければ高いほど乗り越えた後の気分は最高でもある。しかし「そろそろハッピーを素直にどんどん受け取りなさい」と言われているような、不思議な気分も感じていた。

ワールドプレミア前日の夜遅く、上海ディズニーランド・ホテルへ到着。今回の宿泊場所である。

百合の香りにあふれるロビーの奥には、ステンドグラスで彩られたランプシェードが品よく配置されたラウンジが。

上海ディズニーランド・ホテルの宿泊費用は、東京ディズニーランド・ホテルと同様、1室分でのカウント。そのため、多めの人数で泊まり、みんなで割ると更にリーズナブルな旅ができる。到着が深夜だったこともあるとはいえ、思った以上に静か。

東京ディズニーランド・ホテルの方が賑わいもすごく、よりダイナミックでゴージャスな印象を受けるが、こんなに素敵なラウンジを貸し切り状態で堪能できるのは、かなりの魅力のひとつではないだろうか。

上海ディズニーランド・ホテルは、ホテルの公式サイトから簡単な英語に従って予約が可能。一緒にパークチケットも申し込むことができる。

ティンカー・ベルのモチーフが可愛いベッドルーム。ルームサービスでチャーハンを頼み、友人たちと乾杯。その後、明け方近くまで話し込んでしまった。

起床予定時間から逆算すると、残り1時間しか睡眠時間がないことが判明する。「1時間だけでも」と眠りにつく前にSNSで情報収集検索をしてみると、オーランドの従兄弟だというピアニストの男性がペニンシュラでオーランドと食事をしている姿を投稿していた。

Cousins in Shanghai! Pirate x Pianist ☠️🎹 @orlandobloom great to see you cuz!

Thomas Enhcoさん(@thomasenhco)がシェアした投稿 –

「オーランドはペニンシュラに泊まっている」一気にリアルになって襲ってくる近さ。更に「オーリーって従兄弟いたんだ」「しかもピアニストなんだ」「しかもかっこいい(オーリーと少し似てるし)」と即フォローするという自分のファンらしさあふれる行動に満足し、盛り上がる気持ちを抑えて眠りについた。

まさか現場では、この時点で赤絨毯入りチケットの争奪戦が始まっていたとは、夢にも思っていなかった。

決戦当日

窓の外には澄み渡った空が広がった。

美しい緑に、大きな湖、そしてシンデレラ城。立ち上がる噴水にも圧倒される。とても美しい眺めだった。上海とは思えない空の青さは、ワールドプレミアのために晴れたとしか思えない。例の黄色いワンピースに着替えて外へと向かった。

ホテルからパークまでは歩いても向かうことができるそうだが、今回は船を選択。湖をボートに乗って進む。海賊作品のプレミア時に行動選択肢に船があるなら、乗らない理由はないだろう。

船着き場に向かうまでも、芳香なバラの香りが漂う美しい庭がある。うっとりと眺めながら歩いているも、この時点でかなりの暑さを察知しており「まずいな…」と思っていた。

船から降り、人の波に従ってパーク方面と思われる方向へ歩く。ひたすら暑い。さらに、プレミアに行こうとする雰囲気の人はあまり見当たらず、穏やかな家族連ればかりが目につく。本当にここでレッドカーペットが行われるのか?と不安になるほど通常のディズニーランドだ。

レッドカーペットはパーク内ではなく、日本のイクスピアリ的な場所であるショッピングモール・ゾーンで行われるとの情報をキャッチしていたため向かってみるも、そちらもこんな状況。

開催への疑いを抱きつつも突き進むと、大きな音でパイレーツのサントラが鳴り響いてきて、一気にテンションが上がる。

「やっとそれらしい雰囲気になってきた!」と足取りが早くなるも、次に目に飛び込んできた光景がこれだった。

一気に嫌な予感が過ぎる。長年の経験による直感が「これは並ばなければいけない列だけれど、出遅れているよ」と言っている。並びたくない。

しかし、並ばなければならない。

仕切るスタッフに確認すると、やはりレッドカーペット入場のための整理券となるブルー&オレンジの腕輪を配る列だった。灼熱地獄に襲われつつも、とりあえず最後尾についてみる。そして友人たちと相談し、交代で周辺を探索することにした。

列を抜けて探索に向かう。列の前方へ進んでいくと、既に入場したらしき人たちの姿もあり、ますます嫌な予感が走る。レッドカーペットは夕方からなのにもう入場しているなんて、入れたとしてもこの灼熱炎天下で数時間も待つことになるのだろうか?

直感が「そんなはずはない」と言い切っている。更に突き進んでみると、遂に現れた…。

見事なまでに理想的なレッドカーペットだ。ティーザーポスターとメインビジュアル・ポスターが並び、色は赤、幅も完璧。ワールドプレミアのレッドカーペットに相応しい。

近年は様々な色のカーペットが採用されるようになり、パイレーツも前作『生命の泉』ワールドプレミアで、敵のイメージ・カラーに合わせブラック・カーペットが採用されていたが、やはりどこか物足りない。プレミアのカーペットは赤が1番だ。

ますます万全な状況で堪能したい。一体ここからどうすればいい?

私の心は「「列に並ぶ」という選択肢は可能性が低い」と言っている。しかし、他にどんな手立てがあるのか?

その時、遠くから大きな声が聞こえてきた。

「ユミちゃん!!!!!!!!!!」

レッドカーペットの向こうから私を呼ぶ声が聞こえる。そして誰かが走ってくる…。

こ、このお方は、

あの…

『ローン・レンジャー』ワールドプレミアで何故かホームビデオを手に座っていたと思ったら華麗にレッドカーペットを歩き出し、ジョニーに激似すぎるその雰囲気でレッドカーペット上でちょっとしたサプライズを展開していたあの…

あの人だーーーーーーー!!!!

【その3に続く】

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